共に前進する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- マネージャーとの関係を評価し、育む。
- 仕事上で成長できる領域を見つける。
- 自分にとって良い解決策へとマネージャーを動かす方法を学ぶ。
関係を育む
長距離フライトや連続する数回のフライトで一緒に仕事をするとき、航空機の乗員同士に信頼関係があれば、乗員と乗客にとって満足のいく旅になることは間違いありません。客室乗務員が同僚に代わってお客様をアシストしたり、または機長が疲れたときに副操縦士が操縦を引き受けたりすることで、チームメイト同士の信頼感が強まります。
あなたもマネージャーも共にチームメイトです。航空機の乗員が協力するのと同様に、あなたの仕事にも信頼とコミュニケーションが必要です。Salesforce にとって、最も価値あるものは信頼です。「マネージャーとの信頼を築くにはどうすればよいのだろうか」と考えていますか? 次にいくつかの方法を示します。
- 悪いニュースでマネージャーの不意を突かないようにする。
- 期日を守る。
- 仕事をうまくこなす。
- マネージャーの時間に配慮する。
- 自分が提起する問題に対して解決案を提示する。
- 能力が試されるプロジェクトを引き受け、うまく遂行する。
- 学んだことを示す機会を見つける。
強固な信頼関係を築くのには時間がかかります。また円滑にいくとは限りません。全員が最大の努力をしており、同じ目標に向かって取り組んでいることを覚えておくと、困難な状況になったときでも、意思統一を図るのに役立ちます。
コミュニケーションがすべて
操縦室内の操縦士と管制塔内の航空管制官を考えてください。
離陸前の操縦士は管制官にどのくらいの頻度で確認を行うと思いますか? 飛行中はどうでしょう? フライトチームはどのくらいの頻度で安全に関する情報を乗客に提供しますか? 高頻度かつ定期的です。
意思統一を図るとは、起ころうとしていること、または近く起こりうることについて、同僚に情報を提供し続けるという意味です。プロジェクトが予算を超えてしまう場合、またはクライアントがあなたの仕事に憤慨している場合、マネージャーはあなたから事情を聴きたがります。仕事で思わぬ困難な問題にぶつかったときに、あなたができることを次に示します。
- 問題を説明する: 問題の概要とそれが意味するところをマネージャーに説明します。
- 解決案とアプローチを提示する: 問題解決に向けて、どのように取り組んでいるのかを伝え、次に試すかもしれない他の解決策についてマネージャーに説明します。Louise O'Dwyer 氏は次のように提言しています。「マネージャーに懸案事項を提示する場合は、3 つの解決案を考えておきます。問題は隠さずに、直ちに報告して、マネージャーと一緒に解決にあたります。」
- 影響を考慮する: 解決案を実行に移すと、どのような影響が考えられるかをマネージャーに伝えます。
- 責任を持つ: 解決案に自信があり、必ず責任を持って遂行することをマネージャーに示します。
フィードバックを求める
Salesforce では、マネージャーと従業員が互いに率直になれるフィードバック文化の創出に取り組んでいます。
適切なタイミング、高頻繁、直接的といった要素の揃ったフィードバックが成功につながります。ですから、マネージャーと意思統一を図るときには、順調なこと、順調ではないことについて正直に話してください。これが難しいと思う場合は、マネージャーにフィードバックを行うときに、SBI モデルを使用して、状況 (Situation)、行動 (Behavior)、影響 (Impact) について具体的な情報を提供してもよいです。
順調であることを祝う
大きな成功、首尾よく遂行された市場投入、または最新製品のシームレスなリリースを祝うとき、拍手の合図を出します。ペースの速い職場環境では、次のプロジェクトにすぐ取り掛かりたい衝動に駆られるときがあります。それでも、成功を祝う時間を取ってください! 以下が可能です。
- チームのうまくいっていることに光を当てる。
- 優秀に仕事をこなせると強調することで、マネージャーとの信頼関係を築く。
- 同僚に刺激を与える。
- 他のチームをあなたと連携する気にさせる。
- 自分のマネージャーに信頼性と称賛をもたらす。
マネージャーに影響を与える
影響されて行動した経験はありませんか?
ディナーの席であなたの連れがこう言います。「デザートを注文しませんか?」突然、メニューの中からチョコレートたっぷりのデザートを注文しなければ、という気がしてきます。誰もが経験していることです。
マネージャーに影響を与えるのは、適切なタイミングで質問する、または特定の方法で情報を構成するなど、些細なことです。顧客との関係をどのように改善できるかを Salesforce のお客様に示すのと同様に、自分の仕事や潜在的なプロジェクトによって、お客様の目標とチームの目標をどのように前進させられるのかを明示すれば、マネージャーに影響を与えることができます。
些細ではあっても説得力のある方法で上司を動かす、次の戦略を試してみてください。
- 上司のように考える。マネージャーは特に細部にこだわりますか? お客様重視ですか? マネージャーが重視する点を念頭に、提案または推奨事項を組み立てます。
- 上司の言語でストーリーを語る。コミュニケーションスタイルについての説明を覚えていますか? マネージャーがデータと事実によく反応する場合は、アイデアを数字で裏付けます。マネージャーが情報を先に把握することを好む場合は、直接話をする前に、詳細なメールを送信するか、概要を伝えておきます。そして、ストーリーテリングと行動力に反応する場合は、自分が仕事をどのようにやり遂げたのかについて説得力のある物語を語ります。
- 個人ではなく全体の利益を重視する。あなたの行動または計画がどのようにビジネスやチームメンバーの利益となるのかをマネージャーに示します。
この価値あるスキルについてもっと詳しく知りたいですか? 「信頼と影響力」モジュールを参照して、プロジェクトおよび目標を前進させるために、マネージャー、同僚、直属部下を動かすヒントやコツを習得してください。
まとめ
マネージャーとの意思統一を図り、足並みを揃えるのは、無意識のうちにできることではありません。率直、正直、そして誠実であるためには、互いの努力が必要です。足並みが揃えば、途中でどのような停滞があったとしても、自分自身そしてチームに設定した目標を達成するために、明確なコミュニケーションを高頻度で取ることができます。勝利や互いの成果を祝い、感謝する時間を必ず設けるようにして、モチベーションやエンゲージメント、インスピレーションを維持してください。