サービスアシスタントを準備する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Agentforce サービスアシスタントについて説明する。
- サービスアシスタントの計画の基本を理解する。
- サービスアシスタントがサポートするグラウンディングソースについて説明する。
始める前に
このモジュールを始める前に、次の推奨コンテンツを完了することを検討してください。
Coral Cloud Resorts とサービスアシスタント
Coral Cloud Resorts は、海外でのすばらしい休暇体験と一流のカスタマーサポートを提供していることで高い評価を得ています。サマーシーズンを目前にして需要が高まり、顧客ケースの件数も増えています。Coral Cloud は、サービス担当者がケースの増加に対応して解決までの時間を短縮できるよう、サービス業務を迅速に見直す必要があります。この問題を解決してくれるのが Agentforce サービスアシスタントです。
サービスアシスタントは、サービス担当者向けに開発された、Salesforce のケースレコードページ上で動作する支援 AI エージェントです。Lightning Web コンポーネントとして、サービス担当者にケースサマリーと、サービスプランと呼ばれるステップバイステップの解決ガイダンスを迅速に提供します。

その秘密の鍵は何でしょうか? それは Coral Cloud のデータです。サービスアシスタントは、同社のケースデータ、ナレッジ記事、Agentforce のトピックと指示でグラウンディングされています。この強力な連携により、各サービスプランは Coral Cloud 特有のサービスポリシーと基準に直接合わせて調整されます。
サービスアシスタントは、グラウンディングによって初めてサービス担当者の役に立つ AI になるのです。ケースフィードを掘り下げたり、複数のドキュメントやシステムを横断して回答を探したりする、煩雑な手動プロセスは不要になります。サービス担当者は、夏の旅行シーズンのようなケース量が多い期間でも迅速にケースを解決できるようになります。サービスアシスタントとサービス担当者のこの調和が革新的な成果を生み、サービス効率の新たな基準を打ち立てます。
サービスアシスタントが提供できる本当の力を理解するには、 次の動画をご覧ください。誤解のないように言えば、サービスアシスタントは完全に自律型、または会話型のエージェントではありません。サービスアシスタントは、サービス担当者向けに構築された、ケースを解決するための手順を提案する非常に役立つ支援 AI エージェントです。
このモジュールでは、Coral Cloud Resorts がサービスアシスタントを準備、設定、テストするために使用している手順を確認します。では始めましょう。
設定の準備
サービスアシスタントをすぐに使えるようにするために、Coral Cloud Resorts は「サービスアシスタントの準備」に説明されているいくつかの重要な計画事項に取り組みます。同社は、サービスアシスタントが支援すべきケースを特定し、Salesforce データで正確にグラウンディングされていることを確認する必要があります。
パート 1: 会社のユースケースを特定する
次のような状況を想像してください。今は繁忙期の旅行シーズンのピークです。Coral Cloud Resorts のサービス運用マネージャーである John は、顧客フィードバックとケースデータを詳しく分析します。その結果、特に渡航書類や旅行保険に関連するケースが大量にあることが分かります。さらに、これらのケースはサービス担当者の貴重な時間を多く消費していることも判明します。
ケース種別 |
主なケース |
平均ケース処理時間 |
|---|---|---|
渡航書類 |
|
1 ~ 4 日 |
旅行保険 |
|
1 ~ 3 週間 |
この課題に対処するために、Coral Cloud はサービスアシスタントを導入して、サービス担当者がこれらのケースをより迅速に解決できるようにします。なぜここに注力するのでしょうか? これらのケースには特別な配慮が必要だからです。これらのケースの多くでは、詳細な対応が求められ、機密性の高い顧客情報を扱い、複数のシステムをまたいで作業する必要です。サービスアシスタントは、サービス担当者が最も必要としているときに、こうした専用のインテリジェントなサポートを提供するのに最適です。これにより、顧客への対応が迅速になり、チームの効率も向上します。
パート 2: 会社データを準備する
サービスアシスタントが主要なケース要因に対応できるようにするために、Coral Cloud は Salesforce データでサービスアシスタントをグラウンディングする必要があります。
グラウンディングは重要です。なぜなら、サービスアシスタントは Coral Cloud 独自のデータを使用して、サービスポリシーと基準に完全に一致するサービスプランを作成するからです。これは、3 つの主要なデータソースに接続することで実現されます。
- Agentforce のトピックと指示に変換された会社のポリシー。
- サービス AI グラウンディングからのケースデータ。
- Agentforce データライブラリを介したナレッジデータ。
これらのグラウンディングソースは連携して、そのカスタマイズされたサービスプランを構築します。

サービスアシスタントを効果的にグラウンディングするために、Coral Cloud はこれらの機能をどのように最適に活用するかを戦略的に検討する必要があります。同社は、これらの機能の詳細とサービスアシスタントでの使い方を学ぶために、Salesforce システム管理者を割り当てます。
続行する前に簡単な注意点があります。現在、関連ケースやケースフィードでサービスアシスタントをグラウンディングすることはできません。今後の機能強化にご期待ください。
クイックリファレンス: サービスアシスタントのトピック
Agentforce では、AI エージェントはトピック、アクション、指示を使用してユーザーの操作を分類し、完了すべきタスクを決定します。これらは、予約の管理など、一般的な問題やセルフサービスのソリューションで顧客を支援します。
サービスアシスタントは、サービス担当者を対象とした従業員エージェントです。このエージェントは、サービス担当者が顧客ケースをより迅速に解決できるよう、具体的で詳細なガイダンスを提供するように設計されています。サービスアシスタントが正確で役立つサービスプランを生成できるように、Coral Cloud はケース種別ごとの具体的なポリシーと基準をトピックと指示に変換する必要があります。
具体的には、トピックはケースを解決するための正確な詳細を含む一連の指示の「カテゴリ」です。サービスアシスタントはケース情報に基づいてケースをトピックで分類し、その後、サービスプランに追加する最も関連性の高い指示はどれかを判断します。
次の単元ではトピックと指示を作成しますが、ここではサービスアシスタントに特有のガイドラインと詳細など、渡航書類トピック向けに記述された指示の簡単な例を紹介します。サービスアシスタントのトピックに関するより詳細な例とウォークスルーについては、「トピックを使用したサービスアシスタントのグラウンディング」を参照してください。
トピックのガイドライン |
指示の例 |
ベストプラクティス |
|---|---|---|
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条件文を使用する
|
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ケース種別におけるすべての想定シナリオを網羅できるよう、指示には条件付きの表現を含めます。これにより、サービスアシスタントはケース特有の詳細に一致するプランを構築するために必要な関連情報をすべて利用できるようになります。会社の情報が指示に含まれていない場合、その情報はプランにも含まれない点に注意してください。 |
会社のポリシーを明示する |
|
指示を作成する際は、具体的に記載し、該当するケース種別について会社で確立されているガイダンスを参照します。そのケースに関するすべてのサービスポリシーと基準を網羅し、サービス担当者が通常従っている基準、条件、手順をすべて明確にします。 トーンに関するガイドラインを必ず定めて、サービス担当者がケース対応を行う際に役立つサンプルスクリプトやテンプレートがあれば、それらも明示します。 |
期待される結果を明示する |
|
各ケース種別の標準的なワークフローに合わせて指示を整合させます。「When you have… (...が済んだら)」や「After... (...の後で)」といった順序を示す表現を使用して、適切な手順の流れを組み込みます。この方法により、手順が正しい論理的順序で提示されるようになります。 ケース対応において必須となる手順については、直接的な命令文を使用します。「これは必ずプランの手順として含めてください」のような表現を用いることで、重要な情報がサービスプランに一貫して含まれるようになります。 |
クイックリファレンス: Agentforce データライブラリ
サービスアシスタントでは、すでにトピックを使用してケースを分類し、会社のポリシーを含むサービスプランの手順の基盤となる指示を設定しています。ですが、会社特有のポリシーやプラクティスを自動的にサービスプランに直接組み込むことができたらどうでしょうか? そこで力を発揮するのが Agentforce データライブラリです。それらは、基盤となるプランを取り込み、ナレッジ記事でそれを強化します。

では、その仕組みはどうなっているのでしょうか? この機能では、RAG (検索拡張生成) を使用します。これは、ナレッジベースを検索し、記事内から最適な情報を見つけて、それを新しい手順としてサービスプランに直接追加する、非常に賢いアシスタントのようなものです。RAG により、会社の最新のベストプラクティスに常に整合した、より強力で正確なプランを作成できます。
よい点は、 ナレッジコンテンツが自動的に不足部分を補完するため、トピックや指示の設定や作成を簡素化できるということです。すべてのケースにエキスパートが付いているようなもので、サービス担当者がケースを解決するための正確で信頼できるガイダンスを確実に得られるようにしてくれます。
この仕組みが正しく機能するようにするには、グラウンディングのためにナレッジ記事を準備するための下準備が少し必要です。詳細については、「Knowledge での Service Assistant のグラウンディングのベストプラクティス」を確認してください。なお、サービスアシスタントが現在サポートしているのは Knowledge データソースのみです。
記事の準備が整ったら、Agentforce Builder のデータライブラリガイド付き設定を使用して、簡単に接続できます。ここでは Agentforce データライブラリの設定は行いませんが、「Knowledge を使用したサービスアシスタントのグラウンディング」で例と詳細を確認できます。
クイックリファレンス: サービスプランの対象資格基準
ユースケースを定義し、データを使用してサービスアシスタントをどのようにグラウンディングするかを理解した Coral Cloud に残された最後の準備作業は、対象資格基準の検討です。対象資格基準により、サービスアシスタントが会社にとって最も重要なケースに対してのみサービスプランを作成するように、Coral Cloud はサービスアシスタントを正確に制御できます。
具体的には、対象資格基準は自動起動フローの決定要素に設定される制御で、ケースに対してプランを作成できる条件を決定します。これらの基準は、サービスプラン作成のゲートキーパーと考えることができます。たとえば、サービスプランは、メールから作成されたケース、特定のキューに割り当てられたケース、または優先度が「高」のケースに対してのみ作成されるように基準を設定できます。

サービスアシスタントでは、対象資格基準の設定が必須です。Coral Cloud は、これを 2 つの方法で設定できます。
- フローテンプレートを使用: サービスアシスタントには、[Check Service Plan Eligibility Criteria (サービスプラン対象資格を確認)] という独自のフローテンプレートが用意されています。このテンプレートには、対象資格基準をすばやく設定するために必要なすべての要素とリソースが用意されています。
- 独自の自動起動フローを作成: より詳細にカスタマイズしたい場合、Coral Cloud は、文字列入力を 1 つ、ブール値出力を 1 つ持つフローであれば、ゼロから独自の対象判定フローを作成できます。
対象資格基準の完全なリファレンスガイドについては、この動画を確認してください。
これで、グラウンディングと準備作業は完了です。Coral Cloud は、サービスアシスタントがどのケースを担当し、どのようにグラウンディングするのかが整理できました。次の単元で、サービスアシスタントの設定に進みましょう。
