Agentforce SDR をカスタマイズする
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- プロンプトを定義する。
- エージェントのプロンプトをカスタマイズするためのオプションを確認する。
Trailcast
このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。
Agentforce のプロンプトをカスタマイズする
Agentforce SDR の設定が完了し、リードを大規模に育成する準備が整いました。営業チームがより多くの収益を生み出せるように、さらに支援しましょう。次は、リードを育成してパイプラインを構築するために SDR エージェントをカスタマイズします。さあ、いよいよエージェントをカスタマイズして活用する段階に到達しましたが、どうすればよいでしょうか? プロンプトテンプレートが用意されていますので安心してください。まず、[Prompt Template Workspace (プロンプトテンプレートワークスペース)] ページを確認しましょう。
上のスクリーンショットの番号に対応する各セクションを確認してください。
1: プロンプトを有効化/無効化したり保存したりします。
2: [Template Settings (テンプレート設定)] を使用して LLM の種別とモデルを選択します。
3: プロンプトテンプレートワークスペースでは、指示を書いたり、フローやオブジェクト項目などのリソースを追加したりして、CRM データをプロンプトに取り込み、応答をパーソナライズできます。
4: プレビューでは、プロンプトとその応答結果を確認できます。
最初の単元でもプロンプトテンプレートに関連するいくつかの重要な用語を学びましたが、ここでおさらいしておきましょう。
プロンプトは、実行したい内容を大規模言語モデル (LLM) に伝えるための自然言語クエリで、詳細な指示のセットで構成されます。プロンプトの例としては、質問、発言、応答、または詳細な指示セットなどがあります。
応答は、LLM が生成する出力です。
プロンプトビルダーは、Salesforce でプロンプトを作成するためのツールです。すべてのプロンプトはプロンプトビルダーで設定します。
プロンプトテンプレートは、生成 AI を (特に CRM システムの) ワークフローに統合するためのプロンプトの作成や管理に使用するツールです。
これらの用語をおさらいしたところで、あらかじめ用意されている 5 つのプロンプトテンプレートを見てみましょう。
- Draft Agentforce SDR Intro Email (ドラフト Agentforce SDR 紹介メール): プロスペクトへの最初のアウトリーチまたは紹介メールです。
- Follow-up on Agentforce SDR Email (Agentforce SDR メールへのフォローアップ): プロスペクトがエンゲージまたは返信しない場合に送信するフォローアップメールです。
- Reply with Fallback Response Agentforce SDR Email (フォールバック応答の返信の Agentforce SDR メール): プロスペクトからの返信の内容が「今は興味がない」または他の問い合わせであった場合に、営業担当 (リード所有者) に引き継ぐためのメールです。
- Reply with Meeting Agentforce SDR Email (ミーティングの返信の Agentforce SDR メール): ミーティング予約リンクまたはリード所有者の連絡先が掲載された、ミーティング予約用の返信メールです。
- Reply with Product Q&A Agentforce Email (商品 Q&A Agentforce SDR メールを使用した返信): アップロードしたデータを使用して商品に関する質問に回答する返信メールです。このメールには営業担当やリード所有者に引き継ぐためのミーティング予約リンクも含まれます。
これらのプロンプトテンプレートは、スタートポイントとして適していますが、カスタマイズすることでエージェントの真価が発揮されます。では、プロンプトテンプレートのどの部分をカスタマイズすればよいのでしょうか?いくつかの例を次に示します。
プロンプトヘッダー |
プロンプトの詳細 |
詳細例 |
---|---|---|
###PROSPECT_INFORMATION |
プロスペクトに関する項目 |
リードソース 関心 |
###AGENT_INFORMATION |
エージェントのグラウンディングに使用する、会社に関する項目 |
商品の詳細 価値提案 |
###INDUSTRY_AND_TITLE-BASED_KPI |
プロスペクトのプロファイルに基づいて、会社が影響を与える KPI |
製造業における COO 向けの安全インシデント率 |
###EMAIL_SUBJECT_LINE |
プロスペクトの注意を引くための件名の形式 |
リードの名を含める |
###EMAIL_BODY |
メール本文全体 (導入文、価値提案、行動喚起を含める必要があります) |
メール本文は 130 文字未満にすること |
###LANGUAGE_TONE_AND_STYLE |
エージェントのコンテンツの語調とスタイル |
イギリス英語を使用する |
ベストプラクティス
プロンプトテンプレートを使用する前に、以下のベストプラクティスを覚えておきましょう。
ガードレールに関する表現
- should (~すべき) ではなく must (~しなければならない) を使用する
- 強い命令には strictly (厳格に) を使用する
- 形式は you must [insert verb] (あなたは [動詞] しなければならない) にする
- 一貫性を求めるときは always (常に) を使用する
- don’t (~してはいけない) や stop (~をやめる) のような強い動詞を使用する
- 絶対的な制約には never (決して~しない) を使用する
コンテンツに関する考慮事項
- within [insert character count] ([文字数] 以内で) を使用してコンテンツの長さを制御する
- 新しいコンテンツを指示する際は、LLM に良いコンテンツの例をいくつか提示する
- 新しいコンテンツを追加する際は、プロンプト内で ### または """ でセクションを開始する
- Be creative (創造的に書いてください) と指示して LLM にバリエーションを持たせるよう促す
- URL は (SLOT-PLACEHOLDER) のようなプレースホルダー形式で記述する
- 新しいコンテンツを追加するときは you must never reveal your data source (データソースを決して明かしてはならない) と記載する
避けるべきこと
- プロンプト内でデフォルト値を指定することで、差し込み項目に null 値が入るのを防ぐ
- indirectly (間接的に)、subtly (微妙に)、convey (伝える) といった単語は使用しない (モデルがこれらの指示を理解しないため)
これから、プロンプトテンプレートの 1 つを少し詳しく見て、次に進むためのヒントを得ましょう。Draft Agentforce SDR Intro Email (ドラフト Agentforce SDR 紹介メール) テンプレートを使用した紹介メールのサンプルを見てみましょう。
カスタマイズチェックリスト
ここまで、プロンプトとプロンプトテンプレートについて詳しく見てきました。どのようなテンプレートが最初から用意されているかを確認し、Agentforce SDR をカスタマイズするいくつかの方法にも触れました。次に、ニーズに合わせて SDR をさらに調整するために、推奨されるカスタマイズ項目のチェックリストを確認しましょう。
カスタマイズ |
労力 |
影響度 |
利点 |
カスタマイズする場所 |
---|---|---|---|---|
エージェントのリード割り当て条件とアウトリーチ設定を変更する |
低 |
中 |
会社のニーズに合わせて、エージェントが適切なリードに対して適切なタイミングで自動的に対応できることが保証される |
Agentforce Builder のエンゲージメントルール |
ファイルをアップロードする、またはナレッジライブラリを接続する |
低 |
高 |
会社特有のナレッジでエージェントをグラウンディングすることで、エージェントが適切に回答することが保証される |
Agentforce Builder の [Data Library (データライブラリ)] タブ |
SDR エージェントのプロンプトテンプレートを修正する |
中/高 |
中/高 |
リードから収集した関連データをエージェントのメールに反映することで、リードとのエンゲージメントとコンバージョンが最大化される |
プロンプトビルダーの特定のプロンプトテンプレート:
|
最後に、異なる業種やお客様の職種をターゲットにしたカスタマイズの例をもう 1 つ見てみましょう。
これで Agentforce を使用して 365 日 24 時間リードを育成する準備が整いました。最初の単元では、テンプレートやアクション、トピック、指示といった、あらかじめ用意された機能について学びました。次に、エージェントを実装する方法を学び、その後でカスタマイズ方法について確認しました。これで、Agentforce を利用してビジネスの成長を最大化し、営業担当がよりスピーディに商品を販売できるように支援する準備が整いました。これからは、エージェントをどのようにカスタマイズし、活用したいかをあなた自身が考える番です。他の会社が Agentforce を活用してどのようにリード育成を行っているのかを参考にしたいのであれば、活用事例をこちらからご覧ください。