Agentforce と Slack が連携するしくみ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Slack でのエージェントのユースケースを挙げる。
- Slack でエージェントを見つける。
- エージェントが Slack で実行できるアクションを挙げる。
始める前に
このモジュールのステップを進める前に、同じ Agentforce Developer Edition 組織を使って「Agentforce 組織を Slack に接続する」のハンズオン Challenge を実施してください。このモジュールのハンズオン Challenge の作業は、そのバッジで実施した作業をもとに進めます。
Slack をエージェントのホームにする
AI 搭載エージェントを Slack ワークスペースに導入すると、驚くような効果を得られます。このインテリジェントなエージェントは、定型タスクを自動化し、コンテキストに関連するサポートを従業員が普段使用している Slack で提供することで、生産性とこらコラボレーションを向上させます。
AI 搭載エージェントと Slack を連携させるメリット
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コンテキストの関連性の向上: AI 搭載エージェントは、Slack の会話データを利用して、従業員により正確でコンテキストに関連する応答を提供します。
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生産性の向上: 従業員は、エージェントが Slack での単純なタスクを自動化することで、最も価値の高いタスクに集中することができます。エージェントは、チャンネルの設定、メッセージの送信、キャンバスの更新といった定型タスクのアシスタントとして機能できます。
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カスタマーエクスペリエンスの向上: エージェントは、情報を検索して要約し、従業員にプロアクティブなアクションを提案できます。より迅速でパーソナライズされたサービスの提供につながり、カスタマーエクスペリエンスを向上させます。
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信頼できるセキュリティ: Agentforce の Einstein Trust Layer と Slack のセキュリティ標準により、安全なデータ取得、データマスキング、データ保持ゼロ、ワークスペースのオーナーや管理者によるアクセス制御などの機能を通じて AI の利用における安全性とプライバシーが確保されます。
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構造化データと非構造化データの組み合わせ: Slack は、CRM やエンタープライズツールからの構造化データと、Slack の会話から得た非構造化データを組み合わせて活用できるため、エージェントにとって理想的です。この組み合わせからインサイトとコンテキストがエージェントに提供され、エージェントの出力と効果が劇的に向上します。
Slack は、人、データ、システムを 1 か所に集約する仕事用のオペレーティングシステムと考えることができます。これに AI 搭載エージェントを導入すると、一貫性のある業務環境を実現できます。データのサイロ化も、コンテキストを切り替えることも、コミュニケーションを失うこともなくなります。従業員はエージェントとシームレスにやり取りし、より生産的にコラボレーションしながら業務を進めることができます。Slack でのエージェントのさまざまな活用法を詳しく見ていきましょう。
Slack でのエージェントのユースケース
Slack でエージェントを使用すると、さまざまなユースケースで多数の部門の従業員をサポートし、生産性と効率を高めることができます。組織でのエージェントの使用例をいくつか紹介します。
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人事エージェントは、新しい従業員のオンボーディングをサポートしたり、福利厚生に関する質問に答えたり、キャリア開発を導いたりすることができます。
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IT エージェントは、ヘルプデスクチケットの解決やインシデントコミュニケーションの管理といったタスクを処理できます。
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サービスエージェントは、エキスパートを見つけたり、過去のナレッジを使用したりして、顧客の問題を解決できます。
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セールスエージェントは、エグゼクティブブリーフィングの準備をしたり、提案を作成したり、顧客にプロアクティブに連絡したりできます。
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マーケティングエージェントは、キャンペーンを改善したり、コンテンツを作成したり、マーケティング計画を作成したりできます。
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法務エージェントは、規制や法律遵守のプロセスを簡素化したり、承認を自動化したりできます。
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商品およびエンジニアリングエージェントは、計画、設計、開発、品質保証業務をサポートできます。
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サプライチェーン管理エージェントは、サプライヤー関係を監督したり、倉庫のタスクを自動化したり、需要予測を改善したりできます。
これだけではありません。エージェントをカスタマイズすれば、組織内のどのチームのニーズにも対応できます。
Slack でエージェントを見つける
従業員は、Slack の Agentforce ハブでエージェントを見つけたり、自分に関連するエージェントがどのように役立つかを理解したり、より直感的に操作できる提案されたプロンプトを確認したりできます。ユーザーは 1 つの会話スレッドでエージェントとやり取りし、チームメンバー同様にロール固有のエージェントと連携できます。
Agentforce ハブから、ユーザーは次を行うことができます。
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使用可能なエージェントを参照する: Slack UI の [Agentforce] タブには、ユーザーのニーズを満たす使用可能なエージェントを選択する多数のオプションがあります。
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エージェントの資格を表示する: [Agentforce] タブでは、各エージェントのスキルや能力を紹介する簡潔なプロフィールを確認できます。
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チームメンバーと同様にエージェントとコラボレーションする: ダイレクトメッセージ (DM) で、提案されたプロンプトを選ぶか、エージェントに直接質問してやり取りできます。Agentforce は、知識ベースやほかの接続システムから直接その情報を取得し、ユーザーに代わってアクションを実行します。
Slack でエージェントがアクションを実行することを許可する
エージェントは、特定のタスクを実行または人間の介入なしに自律的に機能するように Agentforce スタジオで設定されています。トピックとは、一連の手順とアクションを使用してエージェントに処理させるジョブを表します。たとえば、「商談管理」というトピックには、営業担当が商談を見つけたり、ToDo 項目を作成したり、個人識別情報 (PII) を共有せずに活動を記録できるアクションが含まれていることがあります。
Slack アクションは、仕事を簡素化し、Slack ユーザーの生産性を向上させる強力な方法です。Slack 固有のアクションをエージェントに追加することで、あらゆる従業員の日常業務を大きく改善できます。
エージェントは Slack でどのようなことができるのでしょうか?
- メッセージの履歴やリンクを検索する。
- ダイレクトメッセージ (DM) を送信する。
- キャンバスを作成または更新する。
- ユーザーを検索する。
Slack アクションを実行するエージェントの例
従業員が直面する可能性がある一般的な課題と、Agentforce と Slack アクションで解決する方法を紹介します。
シナリオ |
解決策 |
Slack アクション |
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有名な顧客のために取引先レビューを準備する必要があります。アカウントエグゼクティブは取引先情報のサマリーを必要としており、取引先チームは最新情報を把握する必要があります。 |
ミーティングアシスタントエージェントを使用して、CRM データに基づいて取引先情報を要約し、そのサマリーをプロジェクトチームが参照できるキャンバスに追加します。 |
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従業員がフィットネスウォッチを購入したいと考えています。その費用が従業員の福利厚生を通じて払い戻しの対象になるかどうかを確認する必要があります。 |
福利厚生エージェントを使用して、対象品目リストを検索し、払い戻し可能な品目を確認します。 |
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新規採用者は、商品に関するトレーニングまたはイネーブルメントを見つけて完了する必要があります。新しいトレーニングが次々と予定されるため、最新のものを把握するのが難しくなっています。 |
従業員オンボーディングエージェントを使用して、目的の商品に関するトレーニングセッションやイネーブルメント資料を見つけます。チームは、毎月初めに新しいセッションが自動的にチームキャンバスに追加されるように依頼します。 |
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エージェントは人事、IT をはじめ、営業やマーケティングなど、さまざまな部門でサポートすることができます。また、各種エージェントは、Slack の Agentforce ハブから簡単に見つけて管理することができます。Slack アクションをエージェントに追加することで、Slack 内で従業員と自律的に連携して業務を遂行できます。後続の 2 つの単元では、Slack で使用するための準備として、エージェントを Agentforce Builder で設定する手順を見ていきます。