テスト条件を設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- テストテンプレートを入手する方法を説明する。
- テスト条件のさまざまな部分について説明する。
テストする内容
テストとは、要はエージェントのリスクが許容可能なレベルになっていることを確認することです。あなたは、Agentforce Builder で手動でテストとトラブルシューティングを行った後に、テスト結果に基づいて、指示、トピック、アクション、検索条件、ガードレイルを更新しました。次は、Agentforce テストセンターを使用してそのテストを保存し、それを何度も繰り返して実行することができます。
顧客がさまざまな質問への答えを求めることで、エージェントは試されます。また、ハッカーや、時として従業員は、制限をうまく迂回して、モデルの設計から逸脱した方法でタスクを実行したり、モデルの出力を操作したりしようとします。Agentforce テストセンターでは、このようなシナリオをテストに追加できます。
コツは、尋ねられるであろう質問の種類を予測することです。あらゆる角度、あらゆる可能性を網羅するように努める必要があります。それを目指してテストを設計します。
テストを開始したときにはエラーや問題が発生することが想定されます。まずは、肯定的な、予期される結果に対してテストします。次に、否定的な、予期しない、あるいは無効な結果に対してテストします。極端に間違った要求に対してもエージェントが正しく応答することを確認する必要があります。これはポジティブテストとネガティブテストと呼ばれます。これを組み合わせることで、より堅牢なテストスイートになります。
一例として、エージェントのメール入力をテストするときに、正しいメールの応答をテストします。これは肯定的かつ有効で予期される動作です。ただし、そこで止めないでください。エージェントに対して間違ったメール入力をテストし、そのシナリオの正しい応答が返されることを確認します。これは否定的かつ無効で予期しない動作です。
これは骨の折れる作業のように見えるかもしれませんが、詳しく調べておくことで最終的には良い結果が得られます。準備はよいですか?
Agentforce テストセンター用の Developer Edition 組織にサインアップする
このモジュールを実行するには、Agentforce テストセンターとサンプルデータが含まれている特別な Developer Edition 組織が必要です。このモジュールの Challenge に取り組めるように、ここで無料の Developer Edition を入手して Trailhead に接続します。この Developer Edition は、このバッジの Challenge 用に設計されているため、他のバッジでは機能しないことがあります。使用している Trailhead Playground や特別な Developer Edition 組織が推奨されているものであることを必ず確認してください。
ステップごとの手順を完了したら、ページ下部の [Challenge を確認して 500 ポイントを獲得] をクリックします。
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Agentforce テストセンター用の無料の Developer Edition 組織にサインアップします。
- フォームに入力します。
- [メール] には、有効なメールアドレスを入力します。
- [Username (ユーザー名)] に、メールアドレス形式の一意のユーザー名 (例: yourname@example.com) を入力しますが、有効なメールアカウントである必要はありません。
- [メール] には、有効なメールアドレスを入力します。
- フォームに入力したら [サインアップ] をクリックします。確認メッセージが表示されます。
- アクティベーションメールを受信したら (数分かかる場合があります)、そのメールを開いて [アカウントを確認] をクリックします。
- パスワードと確認用の質問を設定して、登録を完了します。後でアクセスしやすいように、ユーザー名、パスワード、ログイン URL を安全な場所 (パスワードマネージャーなど) に保存しておくことをお勧めします。
- Developer Edition にログインした状態になります。
新しい Developer Edition 組織を Trailhead に接続します。
- Trailhead アカウントにログインしていることを確認します。
- このページの下部にある「Challenge」セクションで組織名をクリックして、[組織を接続] をクリックします。
- ログイン画面で、先ほど設定した Developer Edition のユーザー名とパスワードを入力します。
- [アクセスを許可しますか?] 画面で [許可] をクリックします。
- [この組織をハンズオン Challenge 用に接続しますか?] 画面で [はい! 保存します。] をクリックします。Challenge ページにリダイレクトされたら、このバッジの獲得を目指して新しい Developer Edition を使用できます。
Agentforce を有効化する
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[Setup (設定)] アイコン
をクリックし、[Setup (設定)] をクリックします。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Einstein Setup (Einstein 設定)] を検索して選択します。
- [Turn on Einstein (Einstein を有効化)] を [On (オン)] に切り替えます。

- ブラウザーを更新します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Agentforce Agents (Agentforce エージェント)] を検索し [Agentforce Studio (Agentforce スタジオ)] の下で選択します。[Agentforce Agents (Agentforce エージェント)] ページが表示されない場合は、ブラウザーを更新してもう一度お試しください。
- [Agentforce Agents (Agentforce エージェント)] ページ上部にある [Agentforce] 切り替えをクリックして、[On (オン)] に設定されていることを確認します。
![[On (オン)] に設定されている [Agentforce] 切り替え](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/agentforce-agent-testing/set-up-testing-criteria/images/ja-JP/b471a7ecec4693d6d328852af65dd8be_kix.l5egottt0p7d.png)
-
[Enable the Agentforce (Default) Agent (Agentforce (デフォルト) エージェントを有効化する)] 切り替えをクリックして、[On (オン)] に設定されていることを確認します。
- ブラウザーを更新します。
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[Agentforce Agents (Agentforce エージェント)] と [Enable the Agentforce (Default) Agent (Agentforce (デフォルト) エージェントを有効化)] の両方がオンになっていることを確認します。
これで、Agentforce が有効になり、Agentforce テストセンターを使用できるようになりました。ただし、エージェントのテストを始める前に、権限について学習しておきましょう。
権限を確認する
このバッジに使用している Developer Edition ではすでに正しい権限が設定されていますが、設定されていなかったとしたらどうでしょうか?
信頼を築くための一環として、適切なアクセス権のみが付与されるようにする必要があります。Agentforce を使用するには特定の権限が必要です。Agentforce ツールに対する権限だけでなく、エージェントが使用する可能性があるオートメーションに対する権限も必要です。たとえば、データ、アプリケーション、Apex などに対するアクセス権です。まずは、Agentforce に対するアクセス権を取得するところから始めましょう。
[Agentforce (Default) (Agentforce (デフォルト))] エージェントへのアクセス権を種別固有の権限によって制御します。[Agentforce (Default) (Agentforce (デフォルト))] を使用するには、ユーザーは「Access Agentforce Default Agent (Agentforce デフォルトエージェントへのアクセス)」権限セットグループを持っているか、「Customize Application (アプリケーションのカスタマイズ)」権限を持つシステム管理者である必要があります。以前、「Modify Metadata (メタデータの編集)」権限のみで [Agentforce (Default) (Agentforce (デフォルト))] にアクセスしていたユーザーは、アクセスできなくなりました。
Agentforce テストセンターを使用するには、次の権限が必要です。
- 「Manage AI Agents (AI エージェントの管理)」、使用するエージェント種別に必要な権限、および「System Admin (システム管理者)」プロファイル
または
- 「Customize Application (アプリケーションのカスタマイズ)」および「System Admin (システム管理者)」プロファイル
テストケースを作成する
テストケースの作成を開始するには、Agentforce テストセンターにアップロードできるようにテストケースを保存する場所が必要です。Agentforce テストセンターにはテンプレートが用意されていて、それを使用することで開始しやすくなります。そこから始めましょう。テストテンプレートを入手する手順は次のとおりです。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Testing Center (テストセンター)] を検索して選択します。
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[New Test (新規テスト)] をクリックします。
- [Test Name (テスト名)] に
template(テンプレート) と入力します。
- テストするエージェントとして [Einstein Copilot - v1] または [Agentforce (Default) - v1 (Agentforce (デフォルト) - v1)] を選択します。
-
[次へ] をクリックします。
-
[次へ] をクリックします。
-
[Template (テンプレート)] リンクをクリックします。

これによって、デバイスに testing_template.csv ファイルがダウンロードされます。
- [New Test (新規テスト)] を保存せずに閉じます。ここではテストテンプレートを見てみただけです。
- テキストエディターでファイルを開くと、カンマ区切り値が表示されます。

CSV ファイルは表形式のデータを保存する最も一般的な方法の 1 つです。各値はカンマで区切られ、各行がデータレコード (テストケース) です。一番上の行はヘッダーで、各列が Agentforce テストセンターで何に使用されているかを指定します。各質問 (発言) と、予期される結果が個別の行に表示されます。
testing_template.csv ファイルの最初の例を詳しく見てみましょう。
発言 |
Expected Topic (予期されるトピック) |
Expected Actions (予期されるアクション) |
Expected Response (予期される応答) |
|---|---|---|---|
Summarize account Acme (取引先 Acme を要約してください) |
OOTBSingleRecordSummary |
['IdentifyRecordByName', 'SummarizeRecord'] |
取引先詳細の要約が表示されます。 |
発言は「Summarize account Acme (取引先 Acme を要約してください)」で、予期されるトピックとして求められているのは OOTBSingleRecordSummary です。トピックは、トピックの表示ラベルではなく API 参照名です。発言とは、エージェントが受ける可能性のある質問や問い合わせです。エージェントは複数のトピックを持つことができるため、予期されるトピックは、発言が実行をトリガーすべきトピックです。
次に、そのトピックの予期されるアクションが複数のアクションであることが求められています。応答を生成するのに複数のアクションを使用することができます。この場合、予期されるアクションは角括弧 [] で囲まれ、各アクションは単一引用符 ‘’ とカンマで区切られます。このテストケースのアクションは 'IdentifyRecordByName' と 'SummarizeRecord' です。ここでも、リスト内のアクションはアクションの表示ラベルではなく API 参照名です。
最後の列はアクションに対して予期される応答で、応答で対応すべき内容の説明が設定されています。
テストテンプレートファイルから、もう 1 つの例を見てみましょう。最後の行は最初の行と似ていますが、特定の日付範囲の Acme 取引先のすべてのオープンケースと活動を求めているため、より多くのデータが対象となります。
発言 |
Expected Topic (予期されるトピック) |
Expected Actions (予期されるアクション) |
Expected Response (予期される応答) |
|---|---|---|---|
Summarize the open cases and Activities of Acme from sep to nov 2024 (2024 年 9 月から 11 月までの Acme のオープンケースと活動を要約してください) |
GeneralCRM |
['IdentifyRecordByName','QueryRecords','GetActivitiesTimeline'] |
タイムラインに関連付けられたオープンケースと活動の要約 |
テストを実行する
CSV ファイルでテストケースを作成できたら、テストを開始できます。その方法を見てみましょう。
- [Setup (設定)] から、[Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Testing Center (テストセンター)] を検索して選択します。
-
[New Test (新規テスト)] を選択します。
- [Test Name (テスト名)] に
Test Agentforce v1(Agentforce v1 をテスト) と入力します。メモ: 自分でテストを作成するときには、バージョンを使用してテスト名を具体的にすることで、ほかのテストやバージョンと区別しやすいようにします。
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[Einstein Copilot - v1] または [Agentforce (Default) - v1 (Agentforce (デフォルト) - v1)] を選択します。
複数のエージェントから選択できます。各テストは 1 つのエージェントに対してのみ実行されます。
- [Description (説明)] に
Test cases for Agentforce to verify account summaries and details(取引先の概要と詳細を検証するための Agentforce 用テストケース) と入力します。
[Description (説明)] では実行するテストケースの種類を自然言語で説明します。
-
[次へ] をクリックします。
- [Test Conditions (テスト条件)] では、入力値が必要な場合にテストでエージェントによって使用されるコンテキスト変数を指定できます。このテストでは、これは使用しません。[次へ] をクリックします。
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[Upload files (ファイルをアップロード)] をクリックし、[testing_template.csv] テストファイルを選択します。
![testing_template.csv ファイルが正常にアップロードされた [Upload files (ファイルをアップロード)] ウィンドウのスクリーンショット。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/agentforce-agent-testing/set-up-testing-criteria/images/ja-JP/c80b9c7d9fae7684b35f413185e3c1e5_kix.ktkhp8wjn9o9.png)
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[完了] をクリックします。
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[次へ] をクリックします。
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[保存 & 実行] をクリックします。
![進行中の [Test Agentforce v1 (Agentforce v1 をテスト)] が表示されているテストセンター。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/agentforce-agent-testing/set-up-testing-criteria/images/ja-JP/6d955048c23a9db4db1e95c4c6fdc643_kix.1cizvgbf99qd.png)
これで準備完了です。Agentforce テストセンターで最初のテストを作成しました。また、テストファイルとテストパラメーターの仕組みについても理解を深めました。次の単元では、AI を使用してテストを生成する方法を見ていきます。
次の単元に進む前に、忘れずに [Challenge を確認して 500 ポイントを獲得] をクリックしましょう。
