アンケートジャーニーを使用した顧客のフィードバックの収集
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 積極的にお客様を維持する。
- Journey Builder と Service Cloud を使用してアンケートジャーニーを作成する。
Salesforce Einstein 1
Journey Builder は、ジャーニーのさまざまな段階でお客様とつながるのに役立ちますが、顧客ライフサイクルの 1 つのフェーズに限定する必要はありません。この単元では、お客様とのあらゆるやりとりに対応するために、他の Salesforce 製品、特に Sales Cloud と Service Cloud をカスタマージャーニーに統合します。では、詳しく見てみましょう。
Sales Cloud と Service Cloud の行動
Journey Builder では Salesforce SOAP API を使用して Sales Cloud と Service Cloud で 3 つのアクションが実行されます。
- 作成 — Sales Cloud または Service Cloud に新しいオブジェクトが作成される。
- 検索と更新 — 取引先 ID 値を使用して正しいレコードが参照され、属性が更新される。
- 簡易更新 — 指定した取引先オブジェクトの情報が更新される。
API と聞いて尻込みする必要はありません。3 つのアクションを実行するコードを実際に記述するわけではありません。その代わり、Journey Builder キャンバスにアクティビティを移動し、以下のようなアクションを実行します。
- Marketing Cloud Engagement の連絡先がジャーニーにエントリされたとき、リードを作成する。
- ジャーニー内のエンゲージメントに基づいてリードを更新する。
- Marketing Cloud Engagement の連絡先がアクティビティに達したとき、CRM 取引先責任者レコードを作成する。
- CRM 取引先責任者レコードを Marketing Cloud Engagement 連絡先データで更新する。
- ジャーニー内のエンゲージメントに基づいてカスタムオブジェクトを更新する。
- リードや取引先責任者など、その他のオブジェクトがジャーニーにエントリされたとき、ToDo を作成する。
- ケースまたは ToDo を取引先 (アカウント) に関連付ける。
- 取引先責任者またはリードのジャーニーでの応答に基づいて、ToDo を更新する。
- 個人取引先または法人取引先を更新する。
ここで、Leung Chan と Get Cloudy Consulting に戻りましょう。Leung は今月 4 件目の新規クライアントであるレストランの仕事に取り組んでいます。このレストランでは Marketing Cloud Engagement の Journey Builder に加えて、Sales Cloud と Service Cloud を使用しています。このクライアントは、Service Cloud を使用してお客様のフィードバックと問題を処理しています。通常クライアントのお客様は、レシートに記載されたコードまたはリンクを使用して最近の利用に関するアンケートに回答します。アンケートを完了すると、お客様のメールアドレスが取得され、Journey Builder からお礼状が送信されます。Leung はより多くの回答が得られるようにメッセージにパーソナライズを含めます。クライアントの SMART 目標は、今後 6 か月でお客様の 25% にアンケートに回答してもらうことです。
最近クライアントはランダム分岐を使用して、アンケートに回答したお客様に 10% オフのクーポンを送信することにしました。
今回、クライアントはより高度なジャーニーを作成するために Leung の助けを必要としています。アンケート結果は不満を感じたお客様がいることを示しており、クライアントはカスタマーサービス担当者が連絡を取る ToDo を作成したいと考えています。
ジャーニーを作成する前に、Leung はいくつかの重要なコンテンツと情報を収集します。
- カスタマーサービスによるフォローアップが行われる可能性があることを言及する謝罪メッセージ
- クライアントの Service Cloud アカウントのアカウント ID
- Service Cloud アカウントのカスタマーサービス担当リーダーの所有者 ID
- 再エンゲージメントキャンペーンの ID 値
- 新規 ToDo の件名行
- お食事無料のクーポンコード
Leung は、スコアが低いアンケートを特定し、Service Cloud の ToDo にアンケートを自動的に参照するジャーニーを計画しています。この ToDo は、お客様に連絡して詳しい事情を聞き、クーポンコードを提供できるカスタマーサービス担当者の間で分担されます。Leung が実行する手順は次のとおりです。
- Journey Builder で Sales Could および Service Cloud アクティビティをジャーニーにドラッグします。
- [新規作成] をクリックします。
- Marketing Cloud Engagement の属性と Sales Cloud および Service Cloud のフィールドを使用してフィールドをマッピングします。
- [優先度] フィールドを [高] 設定します。
- [ステータス] フィールドを [新規] に設定します。
- [ID に割り当て済み] フィールドを所有者 ID 値に設定します。
- [ID に関連付け済み] フィールドを再エンゲージメントキャンペーンの ID 値に設定します。
- [件名] フィールドを「Re-Engagement Opportunity」(再エンゲージメントの機会) に設定します。
- アクティビティに「Failing Responses」(不手際に関する回答) という名前を付けて、[Save (保存)] をクリックします。
次に、ケースを担当するカスタマーサービスが、アンケートの回答についてお客様から事情を聞きます。
不満を感じたお客様への対応と同じくらい重要なのは、満足していただいたお客様とエンゲージすることです。満足したお客様は信頼できるだけでなく、友人や家族にあなたの良い評判を広めてくれるメッセンジャーにもなり得るのです。エンゲージメントと維持の取り組みの一環として、メッセージングにソーシャルメディアのリンクを含めることを検討してください。または、新規のお客様を紹介してくれた方に報奨を提供します。では次に、ジャーニーを作成するときの留意点を最後にいくつか紹介します。
ジャーニーをテストして改善する
Marketing Cloud Engagement では、お客様のデモグラフィックや行動に関する多数の情報が収集されます。この情報を活用してください。メールメッセージの開封、クリック、転送に関するデータに加えてこの情報を利用すると、より効果的なジャーニーを作成することができます。
さらに、テストを行うことでパフォーマンスが高いメッセージを調べることができます。高度なジャーニーに異なるメッセージをテストするためのランダム分岐が含まれているのはそのためです。
明確な目的を設定する
すべてのお客様が同じジャーニーを使用するわけではなく、同じ時間と場所であなたとのやりとりが発生するとは限りません。お客様のジャーニーを複数作成し、それぞれのジャーニーの焦点を 1 つに絞ってください。購読者数 10% 増加と既存顧客維持 15% 増加の両方に同じジャーニーで対応しようとすると、複雑になりすぎてしまいます。各ジャーニーの存在理由を 1 つに設定し、最も重要な情報と行動喚起に重点を置きます。そうすると目標から逸れることなく、最適化と効果が促進されます。必要であれば、後から複数のジャーニーを連結することもできます。ビルディングブロックを組み合わせていくようなものですが、この場合は多数の購読者が含まれます。
初期目標を設定したら、そこに詳細と方法を付け加えていきます。これをピラミッドに例えると、一番上にあるのが目標です。そしてその土台を作るのが、最終的に目標を達成するためのコンテンツとデータです。
メッセージングをパーソナライズする
この原則は Journey Builder に固有のものではありませんが、ジャーニーに含めるすべてのコンテンツに直接適用されます。Marketing Cloud Engagement にはメッセージやランディングページにパーソナライズされたコンテンツを挿入するためのツールが多数用意されています。ぜひ利用してください。年齢、場所、購入行動、その他のデータポイントに基づいてコンテンツを調整し、メッセージングの機会を最大限に活用できます。
また、Advertising Studio を使用してソーシャルメディアをジャーニーに追加することも検討してください。この機能は連絡先を特定のジャーニーに取り込むよう設計された広告で (メールアドレスで一致した) オーディエンスをターゲティングします。このチャネルは連絡先とやりとりするもう 1 つの機会です。オーディエンスとコンテンツを作成してキャンペーンを開始し、結果を評価して次のレベルに進むことができます。
送信日時を最適化する
ぴったり同じ時間に起き、すぐにメールをチェックする人はいません。したがって、お客様が実際にいつどこであなたとやりとりしているのか注意を払う必要があります。お客様が午後の早い時間にメールメッセージに対応する可能性が高いことに気付いた場合は、その時間帯に送信するようにします。たとえば、特定の時間に送信が実行されるよう待機アクティビティを設定できます。
送信の間隔にも注意を払います。メールオファーの翌日に (有効期限でない限り) リマインドする必要はありません。カスタマージャーニーの中でお客様が自然にあなたとやりとりできるように十分な時間と余裕を持たせてください。この原則に従えば、お客様に不当なプレッシャーをかけることなく最良のエンゲージメントを実現できます。
こうしたエンゲージメント活動によって、また別のカスタマージャーニーが始まります。賢いマーケターは、1 つのジャーニーが完了した時点ですでに次のジャーニーの計画と準備ができているからです。