ジャーニーの目標の決定
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- カスタマージャーニーの測定可能な目標を定義する。
- 手元にあるデータと必要なデータを特定する。
- 顧客ライフサイクルの 5 つのフェーズについて説明する。
- パフォーマンスを向上させるためにジャーニーにテストを追加する。
始める前に
このモジュールを受講する前に、「Journey Builder の基本」を完了しておく必要があります。ここでの作業は、そのバッジでの概念や作業に基づいて行います。
高度なジャーニーを作成する
あなたが高度なカスタマージャーニーについて調べているのであれば (このページを参照しているということは、そういうことですよね)、すでに簡単なジャーニーを作成したことがあるのではないでしょうか。たとえば、新規顧客を歓迎するジャーニー、既存の購読者と再エンゲージするジャーニー、またはお客様の誕生日をお祝いするジャーニーを作成したことがあるかもしれません。いずれも基本的なもので、Journey Builder で作成可能なジャーニーのほんの一部にすぎません。Journey Builder では、お客様の行動に反応して適応する複雑なマルチチャネルプログラムのようなジャーニーを作成することができるのです。この Journey Builder の上級編を学習し、素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを創出しましょう。
目標を設定する
旅行に行く前に行先を決める必要がありますよね? 簡単に言えば、目標を明確にする必要があります。たとえば、顧客数を増やす、更新率を上げる、Web サイトのコンバージョン数を増やす、などがあると思いますが、これではまだ十分ではありません。SMART の原則を使用して、より正確に目標を定義します。
- Specific (具体的) — 的確な目標を定義できる。
- Measureable (測定可能) — 目標を数値またはチェックマークで評価できる。
- Achievable (達成可能) — 実際に目標を達成できる。
- Relevant (関連している) — 目標を業務に適用できる。
- Time-based (時間ベース) — 目標を達成する特定の期間を設定できる。
たとえば、更新率を上げたいとします。SMART の原則に従って目標を定義すると、「次の会計年度末までに更新率を 10% 上げる」のようになります。この目標には具体的で測定可能な数値が含まれており、達成可能で、あなたの活動に関連しています。さらに、タイムラインを設定したため、成功するためのステップの検討を開始できます。では始めましょう。
現状を把握する
ジャーニーを改善する前に既存のプログラムの監査を完了する必要があります。できるだけ客観的かつ正直に評価するようにしてください (今後、最善の判断を下すのに役立ちます)。カスタマージャーニーは、お客様がどのようにあなたとやりとりするか、継続または更新する可能性、あなたのビジネスを他の人に推奨しようとする意欲を表します。ジャーニーエクスペリエンスが顧客満足度に直接影響することは言うまでもありません。
したがって、お客様とのコミュニケーションに使用しているあらゆるものを評価し、必要な調査 (キーワードやソーシャルメディア活動の検索など) を行い、他の人からどう思われているのかを調べてください。競合他社が何を行っているかも確認します。肝心なのは、あなたにあるもの、競合他社にあるもの、そして人々がそれについて何と言っているのかを把握することです。この情報は最良のジャーニーを作成するための強固な基盤となります。
データを収集する
監査を実施するときに、手元にあるお客様に関するデータの概要をまとめます。名前、場所、メールアドレスなどの基本情報はすでに把握しているはずです。誕生日や性別などのデモグラフィック情報も収集しているかもしれません。このデータは通常、基本的なパーソナライズとセグメンテーションに使用されます。ただし、お客様に最適なサービスを提供するには、お客様が何を必要とし、どのような行動を取るかを理解するためにより多くのデータが必要です。データを次の 3 つのカテゴリで考えます。
- 手元にある — すでにシステムに安全に保存されているデータ
- 必要 — 目標を達成するために必要なデータ
- 欲しい — 将来的に変化をもたらすことができるその他のデータ
このデータはすべてセグメンテーションプロセスを微調整するのに役立ちますが、うまくバランスを取らなければなりません。データを好きなだけ収集してもかまいませんが、セグメントが細かくなりすぎないように注意してください。オーディエンスにグループとして効果的に働きかけられるようにする必要があります。
チャネルを選択する
あなたにはすべてのお客様に有意義なジャーニーを作成するいうミッションがあります。お客様とのコミュニケーション方法を理解することは、お客様に何を伝えるかと同じくらい重要です。お客様は一般に、状況に応じてさまざまな方法で異なるチャネルに応答します。
- メールメッセージはお客様が後で見ることができる、プレッシャーをかけないコミュニケーションを提供しますが、お客様は簡単に購読を取り消すこともできます (さらに悪いのは、お客様がメッセージを開かなくなる「心理的な購読取り消し」です)。
- SMS メッセージは通常、相手に早急の対応を求めます。緊急のニーズや特定のタッチポイントには効果的ですが、SMS メッセージを過剰に送信すると、すぐに購読の取り消しやブランドに対する不快感につながる可能性があります。
- プッシュメッセージはアプリを使用して特定のお客様を対象にしますが、この方法もまた、使いすぎたり、お客様を不正確に対象にしたりすると厄介な場合があります。
ここで、上記のメッセージをうまく組み合わせて使用できる例を紹介します。あなたはフードデリバリーサービスで働いています。お客様がアプリで料理を注文すると、注文受領を確認するプッシュメッセージが届き、料理の配達が到着すると別のプッシュメッセージが届きます。お客様に特別な指示があれば、音声通話または SMS でドライバーにすばやく連絡して伝えることができます。最後に、料理が配達された後にレシートがメールで届きます。これで食事中のお客様をプッシュメッセージや SMS メッセージの通知音で煩わすことがありません。
重要な瞬間を特定する
お客様は個人としてブランドとエンゲージする中で独自のパスを進むことがありますが、マーケターによると、お客様は概して同じようなフェーズを進むことがわかっています。このフェーズで構成されるのが 5 段階のライフサイクルです。
- 獲得 — お客様はあなたのブランドまたは製品とエンゲージするかどうかを決めているところです。
- オンボード — お客様はあなたとエンゲージすることにしました。この機会を最大限に利用するために情報を必要としています。
- エンゲージ — お客様はあなたの製品をより有効に活用するために追加の知識または奨励を必要としています。
- 維持 — お客様はあなたの顧客であり続けることでインセンティブを得ます。
- 推奨 — お客様はあなたの製品を使用するだけでなく、他者に勧めて影響を与えます。
ジャーニーは、お客様がライフサイクルのどこにいるのか、そしてお客様が正しい情報 (またはインセンティブ) を受け取れるように実行する必要があるアクションを把握するのに役立ちます。データを使用してお客様のキュー (合図) をリスンし、各ジャーニーを 1 つの行動喚起として設定します。各ジャーニーで特定のアクションを処理し、複数のジャーニーをリンクしてカスタマーエクスペリエンスを全体的に向上させることができます。
テストを重ねる
賢いマーケターはすべてのジャーニーをテストします。それは分岐と評価の数が多く、結果の予測がますます不可能になる複雑なジャーニーでは特に重要なことです。
予測不可能と言いましたが、それはテストを行い、起こり得ることを理解するまではという意味です。Journey Builder には、メッセージングの効果をテストする 2 通りの方法があります。1 つ目はジャーニーのテストを使用する方法です。この機能は、作成したジャーニーをテストし、サンプルの連絡先がどのようにジャーニーを進んでいくかを示します。
Journey Builder でジャーニーを検証した後にジャーニーキャンバスで [テスト] をクリックし、最大 10 個の既存の連絡先を選択します。手順に従って Journey Builder でその連絡先がどう処理されるかを確認し、その結果を確認します。連絡先には必ずジャーニーに含めたい個人を選択してください。
Journey Builder のテストでは判断分岐を使用して、異なるメッセージや行動のパフォーマンスを評価することもできます。このデータを基に、開封数、クリック数、またはコンバージョン数がより多いアクションを判断し、目標達成を早めることができます。次の単元では、ジャーニーでお客様を歓迎する方法について学習します。