排出量予測を設定して計算する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 権限を設定する。
- 排出量予測に関連する機能を有効にする。
- 取引先を作成する。
- ビジネス評価指標の値を追加する。
- DPE の排出量予測の初期化ジョブと排出量予測の計算ジョブを実行する。
はじめての予測
Net Zero Cloud に予測を設定して予測を生成するために、Safiya は次のタスクを実行する必要があります。
- 1 回限りの設定タスク:
- 管理者ユーザーに権限セットライセンスと権限セットを割り当てる。
- 高度な取引先販売予測とデータパイプラインを有効にする。
- 予測関連の機能を有効にする。
- DPE ジョブテンプレートを有効にする。
- 取引先を作成する。
- 年間排出インベントリレコードと科学的根拠に基づく目標レコードを使用できることを確認する。
- 予測の生成タスク:
- 排出量予測の初期化ジョブを実行する。
- ビジネス評価指標の値を追加する。
- 排出量予測の計算ジョブを実行する。
Safiya は Net Zero Cloud を設定したときにこの一部を実行したことを覚えていますが、設定されていることを確認する必要があります。では、Safiya が予測を設定し、初めて予測を生成するところを一緒に見ていきましょう。
権限セットライセンスと権限セットを割り当てる
このモジュールでは、受講者が Salesforce システム管理者で、Net Zero Cloud を設定する適切な権限を有していると想定しています。ただし、Salesforce システム管理者でなくても大丈夫です。このまま読み進み、本番組織でシステム管理者がこれらの手順をどのように実行するのかを見てみましょう。Trailhead Playground ではこの手順を実行しないでください。Trailhead Playground では Net Zero Cloud を使用できません。
Safiya はまず、予測に必要な権限セットライセンスと権限セットがあるかどうか確認します。
- [設定] の [クイック検索] ボックスで [ユーザー] を検索して選択します。
-
[Rees, Safiya] をクリックします。
-
[権限セットライセンスの割り当て] をクリックして、次の権限セットライセンスがリストされていることを確認します。リストされていない場合は、[割り当ての編集] をクリックし、不足しているライセンスを選択して [Save (保存)] をクリックします。
- データパイプラインベースユーザー
- データ処理エンジン PSL
- 高度な製造取引先販売予測 PSL
-
[権限セットの割り当て] をクリックして、次の権限セットがリストされていることを確認します。リストされていない場合は、[割り当ての編集] をクリックして割り当てます。
- データパイプラインベースユーザー: 管理者ユーザーが DPE 定義をカスタマイズして使用できるようになります。
- 高度な製造取引先販売予測: ユーザーが複数のディメンションに対する基準の排出量予測を追跡できるようになります。
- データ処理エンジンを使用: ユーザーがデータ処理エンジンを使用してデータを変換できるようになります。
Sam が予測グリッドにアクセスできるようにするために、Safiya は次の手順を実行します。
- 「Net Zero Cloud マネージャー」権限セットをコピーして、排出量予測結果オブジェクトの [すべて変更] 権限を有効にします。
- 「高度な製造取引先販売予測」権限セットをコピーして、高度な取引先販売予測セットパートナーオブジェクトの [すべて表示] 権限を有効にします。
- コピーした権限セットを Sam に割り当てます。
詳細は、「Net Zero オブジェクトのオブジェクトレベル権限の設定」を参照してください。
高度な取引先販売予測を有効にする
適切な権限を割り当てた Safiya は、高度な取引先販売予測とデータパイプラインを有効にします。
- [設定] の [クイック検索] ボックスで [高度な取引先販売予測] を検索して選択します。
-
[高度な取引先販売予測] を有効にします。
- [サンプル排出量予測セット] の [有効化] をクリックします。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
data pipelines
(データパイプライン) と入力し、[Data Pipelines (データパイプライン)] の [Getting Started (始めましょう)] を選択します。
-
[データパイプライン] を有効にします。
予測関連の機能と DPE ジョブテンプレートを有効にする
Safiya は続いて、組織の [排出目標を管理] と [炭素排出量予測を管理] が有効になっているかどうかを確認します。
- [設定] で、[Net Zero 設定] を検索して選択します。
-
[排出目標を管理] と [炭素排出量予測を管理] が有効になっていることを確認します。Sam が [排出目標を管理] 機能を使用して、予測の前提条件である年間排出インベントリを作成できます。
特定の DPE ジョブテンプレートを有効にして、予測で使用できるようにする必要があります。Safiya は組織にテンプレートの有効なコピーがあるかどうかを確認します。
- [設定] の [クイック検索] ボックスで [データ処理エンジン] を検索して選択します。
- 次の各ジョブテンプレートに対応する有効なコピーがあることを確認します。
- 排出量予測の計算
- 排出量予測の初期化
- 排出量予測の再初期化
- 有効なコピーが存在しない場合は、テンプレートごとに次の手順を実行します。
- ジョブテンプレートをクリックして開きます。
-
[別名で保存] をクリックします。
- 別の名前を入力します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
-
[有効化] をクリックします。
取引先を作成する
Safiya は NTO の取引先を作成する必要があります。計算に取引先は使用されませんが、予測レコードはすべて取引先に関連付けられます。ここでは次の手順を実行します。
- アプリケーションランチャーで、[取引先] を検索して選択します。
-
[New (新規)] をクリックします。
- 取引先名に
NTO
と入力します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
年間排出インベントリレコードと科学的根拠に基づく目標レコードを確認する
Safiya は、前年度の年間排出インベントリレコードが存在するか事前に確認しておくことにします。
Net Zero Cloud アプリケーションの Lightning コンソールのドロップダウンリストから、[科学的根拠に基づく目標] を選択して、[排出インベントリを設定] に移動します。
Safiya は、前年度の年間排出インベントリレコードが存在することを確認します。
年間排出インベントリレコード内の特定の項目から、各排出活動の実際の排出量が取得されます。たとえば、2021 年度のスコープ 1 固定資産 - 商業ビルの実際の排出量は、[スコープ 1 商業ビルからの排出量] という項目から取得されます。
次に Safiya は [目標を設定] をクリックして、以下の科学的根拠に基づく目標レコードを検証します。
- Sam は予測を目標と比較したいと考えているため、Safiya は排出削減目標レコードが存在するかどうかを確認します。
- カーボンクレジットの必要数を計算するために、Safiya は [Net Zero 排出目標] 種別の [すべての排出] の目標を確認します。
インベントリや科学的根拠に基づく目標の設定についての詳細は、「Net Zero Cloud を使用した科学的根拠に基づく目標設定と排出量予測」を参照してください。
排出量予測の初期化ジョブを実行する
排出量予測結果レコードを準備して、予測グリッドを作成するために、Safiya は排出量予測の初期化ジョブを実行します。
- [設定] の [クイック検索] ボックスで [データ処理エンジン] を検索して選択します。
- DPE の [排出量予測の初期化] ジョブテンプレートの有効なコピーをクリックします。ヒント: テンプレートのコピーを特定するには、[パッケージ状況] をクリックします。[未管理] になっているはずです。
-
[定義を実行] をクリックします。
- 取引先と予測セット名を指定して、[定義を実行] をクリックします。
ジョブが完了するまでに時間がかかります。Safiya は [設定] の [ワークフローサービスを監視] ページでジョブの状況を確認します。
ジョブが完了すると、[高度な取引先販売予測セット] パートナーレコードが作成されます。このレコードが予測グリッドへのエントリポイントになります。
ビジネス評価指標の値を追加する
Safiya は続いて、ビジネス評価指標の値を手動で追加します。
- Net Zero Cloud アプリケーションの Lightning コンソールのドロップダウンリストから、[高度な取引先販売予測セットパートナー] を選択します。
- 排出量予測の初期化ジョブの実行時に自動的に作成された、最新の有効な [高度な取引先販売予測セット] パートナーレコードにアクセスします。[高度な販売予測] ページが表示されます。
- 排出活動ごとに、1 年のビジネス評価指標を編集して、値を入力します。
- 同様に、数年の予測期間にわたるビジネス評価指標の値を入力して、[Save (保存)] をクリックします。
また、値が記載された CSV ファイルを使用して、ビジネス評価指標の値をアップロードすることもできます。標準の Salesforce REST API または Bulk API を使用して、この CSV ファイルのデータを予測グリッドにインポートします。詳細は、「プラットフォーム API の基本」モジュールを参照してください。
排出量予測の計算ジョブを実行する
最後に、Safiya は排出量予測の計算ジョブの有効なコピーを実行して排出量予測を生成し、結果を予測グリッドに入力します。
Safiya は、このジョブの実行を自動化するフローを作成できます。詳細な手順は、「フローを使用した排出量予測の計算」を参照してください。
Safiya は設定を完了して予測を生成しました。けれども、Sam からもう 1 つ依頼を受けています。
基準グループを作成する
標準装備されている基準グループでも問題ありませんが、Sam はユーザーが編集可能な基準のみをまとめて表示することを望んでいます。そのため、Safiya はこのニーズを満たす基準グループを作成します。
- [設定] の [クイック検索] ボックスで [高度な取引先販売予測] を検索して選択します。
- [サンプル排出量予測セット] で、[Edit (編集)] をクリックします。
-
[無効化] をクリックします。
- [販売予測基準グループ] までスクロールダウンして展開します。
-
[New (新規)] をクリックします。
-
Forecast Adjustment Measures
(予測調整基準) という名前を入力します。
- 基準グループに追加する基準を選択して、[Save (保存)] をクリックします。[販売予測基準グループ] リストに、新たに追加した基準グループが表示されます。
-
[有効化] をクリックします。
この単元では、Safiya が排出量予測を設定して使い始めるところを見てきました。次の単元では、Sam が結果を確認するところを見ていきます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: 排出量予測の生成
- Salesforce ヘルプ: 高度な取引先販売予測の設定
- Salesforce ヘルプ: 基準グループの作成
- Salesforce ヘルプ: Net Zero オブジェクトのオブジェクトレベル権限の設定