販売予測セットを設定する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 販売予測セットにディメンションと基準を追加する。
- さまざまなユーザープロファイルの調整期間を定義する。
- 販売予測数式を作成する。
- Salesforce フローを使用して販売予測プロセスをオーケストレーションする。
ディメンションと基準
Cindy はすべての販売予測セットのディメンションを作成し終えました。次は、ディメンションを各セットに割り当てます。さらに、カスタム基準を各販売予測セットに追加します。カスタム基準は、高度な取引先販売予測結果オブジェクトに作成した項目としてすでに使用可能になっています。
Cindy は次の手順に従って販売予測ディメンションを両方のセットに追加します。
- をクリックし、[設定] を選択します。
- [クイック検索] ボックスに
Manufacturing
と入力し、[Manufacturing] を選択します。 - [機能設定] の下で [高度な取引先販売予測] をクリックし、[販売予測セット] タブに移動します。
- Industrial_Set レコードで [編集] をクリックします。
- [販売予測ディメンション] セクションを展開します。
-
[ディメンションを追加] をクリックし、次の詳細を入力します。
名前 ディメンション 販売予測結果ディメンション項目 表示順序 Product (商品) Product (商品) Product ID (商品 ID) 1 Ship-From Location (出荷元ロケーション) Ship From Location (出荷元ロケーション) Ship-From Location (出荷元ロケーション) 2
-
[保存] をクリックします。
- Consumer_Set についてステップ 3 ~ 4 を繰り返し、次の詳細を指定します。
名前 ディメンション 販売予測結果ディメンション項目 表示順序 Product Category (商品カテゴリ) Category (カテゴリ) Category ID (カテゴリ ID) 1 Ship-From Location (出荷元ロケーション) Ship From Location (出荷元ロケーション) Ship-From Location (出荷元ロケーション) 2
表示順序によって、高度な販売予測ビューにディメンション列が配置される順序が決まります。たとえば、取引先マネージャーが産業ユニットの取引先の販売予測を表示するとき、1 列目は Product (商品)、2 列目は Ship-From Location (出荷元ロケーション) になります。
次に、Cindy は販売予測結果テーブルから各販売予測セットに販売予測基準を追加します。販売予測セットの基準は、販売予測結果テーブルのディメンションではない項目にすぎません。販売予測を作成するには、こうした各項目の値の計算方法を Cindy が決めなければなりません。予測数量と予測収益は数式を使用して計算されますが、基礎となる指標 (商談と販売計画の数量と収益など) はデータ処理エンジン定義の一括処理によって計算されます。他の項目 (調整後の収益など) は関係者によって編集されます。
Cindy は産業ビジネスユニット用に次の手順を実行します。
- Industrial_Set レコードで [編集] をクリックします。
- [販売予測基準] セクションで、[編集] をクリックします。
- 次の詳細を指定して [保存] をクリックします。
名前 販売予測結果基準項目 指標種別 集計種別 計算方法 調整の追跡 Final Forecasted Quantity (最終予測数量) 予測数量 数量 合計 販売予測数式 なし Final Forecasted Revenue (最終予測収益) 予測収益 収益 合計 販売予測数式 なし Opportunity Quantity (商談数量) 商談数量 数量 合計 一括処理 なし Opportunity Revenue (商談収益) 商談収益 収益 平均 一括処理 なし Sales Agreement Quantity (販売計画数量) 販売計画数量 数量 合計 一括処理 なし Sales Agreement Revenue (販売計画収益) 販売計画収益 収益 合計 一括処理 なし Order Quantity (注文数量) 昨年度注文数量 数量 最大 一括処理 なし Order Revenue (注文収益) 昨年度注文収益 収益 合計 一括処理 なし Total Discounts (割引合計) Total Discounts Offered (提示された割引合計) 収益 合計 一括処理 なし Account Manager Adjustments (取引先マネージャー調整) Account Manager Adjusted Forecast Revenue (取引先マネージャー調整後の販売予測収益) 収益 合計 ユーザー編集可能 あり Regional Manager Adjustments (地域マネージャー調整) Regional Manager Adjusted Forecast Revenue (地域マネージャー調整後の販売予測収益) 収益 合計 ユーザー編集可能 あり
Cindy は同じ手順に従い、Consumer_Set に同じ基準をすべて追加します。さらに、Partner Adjustments (パートナー調整) をこのセットに追加し、次の詳細を指定します。
- 名前:
Partner Adjustments
(パートナー調整) - データ指標名: Partner Adjusted Revenue (パートナー調整後収益)
- 指標種別: Partner Adjusted Forecast Revenue (パートナー調整後の販売予測収益)
- 集計種別: 合計
- 計算方法: ユーザー編集可能
- 調整の追跡: あり
消費者ビジネスユニットでは、パートナー、取引先マネージャー、地域マネージャーが販売予測の調整を行うことができます。これらの変更は追跡されます。産業ユニットでは、パートナーは販売予測を調整できません。Total Discount Offered (提示された割引合計) はどちらのユニットにとっても重要な指標です。他の基準は、どの販売予測セットでもほぼ同じです。
人によって調整方法は異なる!
販売予測セットに加える設定はあと数個だけです。Cindy は最初の 1 つに進みます。
取引先マネージャーが最初に販売予測を確認するとき、商品のパフォーマンス履歴や一般的なトレンドの示唆などの前提に基づいて販売予測収益や販売予測数量を変更することがあります。変更された値は、販売予測調整として収集されます。次にこの販売予測は、パートナー、地域マネージャー、財務担当役員など他の関係者のレビューを受けるために送信されます。関係者は基礎となる前提をレビューし、理由の妥当性を調べます。
今度は各関係者が、市場の状況に関するインサイト、特定の業種セグメントの成長、その他の認められたトレンドに基づいて数値を変更できます。数日後、取引先の販売予測値はロックされます。Rayler Parts では、最終的な販売予測を使用して在庫計画と正確な収益予想を立てます。高度な取引先販売予測は、前提レビュープロセスを透明化する優れた販売予測ツールです。
営業チームでは、ロール別に販売予測レビューの時期をずらすことで、特定の期間でロールごとに編集をロックできるようにしたいと考えています。Cindy はすでに次のユーザープロファイルを設定し、関連するユーザーを追加しています。
- 取引先マネージャー
- 地域マネージャー
- パートナー
Cindy は次の手順で産業販売予測セットに調整期間を追加します。
- Industrial_Set レコードで [編集] をクリックします。
- [販売予測調整期間] セクションで、[編集] をクリックします。
- 次の詳細を指定します。
- ユーザープロファイル: 取引先マネージャー
- 頻度: 毎月
- 期間開始日:
0
- 期間日数:
5
- [保存] をクリックします。
- もう 1 つの調整期間を追加して次の詳細を指定します。
- ユーザープロファイル: 地域マネージャー
- 頻度: 毎月
- 期間開始日:
6
- 期間日数:
2
- [保存] をクリックします。
では、1 月にレビューがどのように行われるかを見てみましょう。1 月 1 日から 1 月 5 日の間は、取引先マネージャーが販売予測収益を調整できます。Cindy は販売予測基準を定義するときに [Account Manager Adjustments (取引先マネージャー調整)] 項目を販売予測セットに追加しました。そこに取引先マネージャーが調整の数値と理由を追加します。1 月 6 日、取引先マネージャーは販売予測を編集できなくなります。1 月 6 日から 7 日の間は、地域マネージャーが [Regional Manager Adjustments (地域マネージャー調整)] 項目に数値を追加します。1 月 8 日、すべての関係者の調整期間が終了します。このサイクルは毎月繰り返されます。
Cindy は Consumer_Set レコードに 3 つの調整期間を作成します。最初の 2 日間はパートナー、次の 5 日間は取引先マネージャー、最後の 2 日間は地域マネージャーのために確保されます。
数式を組み立てる
Cindy は販売予測数量と販売予測収益のタイムフェーズの数式を設定できます。たとえば、季節性を考慮して最初の 6 か月はある数式を使用し、次の 6 か月は別の数式を使用する場合などです。これには連動する指標の変化に応じて販売予測が計算されるという利点もあります。Cindy はすでに、データ処理エンジン定義を使用して注文、商談、販売計画から数量と収益の値をどう求める必要があるかを定義してあります。数式は、定義が実行された後に適用されます。
ここではすべての期間を対象にして数量と収益に 1 つずつ数式を作成します。
- Industrial_Set レコードで [編集] をクリックします。
- [販売予測数式] セクションで、[編集] をクリックします。
- 販売予測数式ビルダーで次の詳細を指定して [保存] をクリックします。
- 開始期間:
1
- 終了期間:
6
- 計算の基礎: 数量
- 数式:
0.8 * 商談数量 + 注文数量 + 販売計画数量
- 開始期間:
- もう 1 つの数式を追加して次の詳細を指定します。
- 開始期間:
7
- 終了期間:
18
- 計算の基礎: 数量
- 数式:
商談数量 + 販売計画数量
- 開始期間:
- もう 1 つの数式を追加して次の詳細を指定します。
- 開始期間:
1
- 終了期間:
12
- 計算の基礎: 収益
- 数式:
0.8 * 商談収益 + 注文収益 + 販売計画収益 + max(Account_Manager_Adjustments, Regional_Manager_Adjustments))
- 開始期間:
フローでオーケストレーション
販売予測セットの準備ができたので、Cindy はそれらと関連する DPE 定義を有効化できます。すべてをまとめるために、Flow Builder を使用してフロー定義を作成できます。フローは、カスタム販売予測結果基準の計算の実行、販売予測数式の評価、特定期間の一連の取引先に対する最終的な販売予測の生成や再計算までのエンドツーエンドプロセスの自動化に役立ちます。
Cindy は必要なデータ処理エンジン (DPE) 定義のすべてを順にフローに追加して、販売予測基準の計算と販売予測計算のプロセスを自動化できます。Cindy は販売予測セットごとに別個のフローを作成して、2 つのビジネスユニットが互いに独立を保てるようにします。Cindy はフローが毎週実行されるようにスケジュールして、基礎となる指標のすべての変更がデータ処理エンジンの実行によって更新され、それに従って販売予測レコードが再計算されるようにします。販売予測の毎月のロールオーバーについては、別のフローを毎月初に実行されるようにスケジュールできます。フローを使用して販売予測計算プロセス全体を確実にオーケストレーションできます。
バックグラウンドでは次の処理が行われています。
- スケジュール済みのフローが実行されるたびに、商談、販売計画、注文の数量指標と収益指標の集計と計算に役立つデータ処理エンジン定義がトリガーされます。
- 計算後の値は高度な取引先販売予測結果オブジェクトに書き戻されます。取引先と期間の組み合わせごとに 1 つのレコードが作成されます。
- 「高度な取引先販売予測を計算」呼び出し可能アクションが、販売予測基準の計算後の値を使用して販売予測数式を実行します。
- 販売予測セットのロールオーバー、再計算、生成、再生成のためのデータ処理エンジン定義がフローでトリガーされます。
- 各期間の販売予測の計算時に、「高度な取引先販売予測セットパートナーを更新」呼び出し可能アクションが、新規に高度な取引先販売予測セットパートナーレコードを作成します。
- 計算の進行中、これらのレコードの状況は「計算中」に設定されます。
- 販売予測評価の完了後、レコードの状況は呼び出し可能アクションによって「完了」に更新されます。
取引先マネージャーは高度な取引先販売予測セットパートナーオブジェクトのリストビューを作成して、特定の取引先と販売予測セットの組み合わせについて販売予測データを表示できます。最新の販売予測を参照できるかどうかは状況で示されます。
最後の単元では、取引先マネージャーのエクスペリエンスを強化するために Cindy が定義できる追加の設定について説明します。その後で視点を Elliott のチームに移し、高度な取引先販売予測を最大限に活用する方法を確認します。