アクションプランについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- アクションプラン機能について説明する。
- アクションプランテンプレートとアクションプランの違いを説明する。
- アクションプランテンプレートに追加できる項目の種別を挙げる。
- アクションプランテンプレートでサポートされる Salesforce オブジェクトを挙げる。
- アクションプランテンプレートとアクションプランを連携させる方法を説明する。
はじめに
Ryan Dobson は、パートタイムのシステム管理者であると同時に、フルタイムのファイナンシャルアドバイザーでもあります。クライアントの財務上のニーズの理解に取り組み、クライアントが財務計画を立て、将来に備えることができるようにと人一倍努力をしています。こうした姿勢から、Ryan は Cumulus の貴重な人材になっています。
けれども、Ryan が一人でこのすべてをこなすことはできません。クライアントアソシエートとして最近チームに加わった Srilakshmi Maajid がきめ細やかに補佐してくれています。彼女の仕事は、Ryan のようなファイナンシャルアドバイザーを計画、整理、スケジュールの面で補佐し、顧客の成功を支援するという重要な仕事に集中できるようにすることです。
明確な計画を立ててエラーを減らす
時代の最先端を行く金融機関を目指す Cumulus Cloud Bank では、実際のところ、社内の誰もが猫の手も借りたいほど仕事を抱えています。チームは概してうまく仕事を回していますが、ここ最近日常業務の見落としが重なりました。
Ryan はこの点を懸念しています。ベテランのファイナンシャルアドバイザーである Ryan は、Cumulus Bank の資産管理部門内で起こっていることをすべて把握しています。チームがお客様のニーズを汲み取り、そのニーズに遅滞なく応えるために、プロセスと ToDo をどのように連携させる必要があるかを理解しています。
Ryan が特に重視しているのは、富裕層のクライアントと四半期ごとに財務計画を見直すレビューミーティングが常に円滑に行われるようにすることです。毎回このミーティングの前は、次の ToDo を中心にかなりの準備作業に追われます。
- 余裕をもってクライアントとのミーティングをスケジュールする。
- クライアントの財務パフォーマンスレポートを作成する。
- レポートを確認する。
どの ToDo も難しいことではありませんが、他の多くの優先事項の中で埋もれてしまうのではないかと Ryan は懸念しています。上記のような ToDo は必ず誰かが、期日までに行わなければなりません。
アクションプランの導入
Financial Services Cloud のアクションプランのことを聞き知った Ryan は、チームの ToDo の見落とし問題の解決策になるのではないかと考えます。そこで、Salesforce の担当者に連絡を取り、詳しい説明を聞くことにしました。
アクションプラン機能を使用すれば、反復可能な ToDo が取得され、その一連の ToDo が自動化されるため、コラボレーションや生産性が向上することがわかりました。彼のチームはアクションプランを使用して、財務計画のミーティング、口座の開設、ローンの承認、請求処理などの特定のクライアントエンゲージメントに ToDo 所有者や期日を自動的に割り当てることができます。
また、アクションプラン機能を使用してレポートやダッシュボードを簡単に作成できるため、Ryan は進行状況を監視したり、コンプライアンスを確認したりすることができます。
アクションプランテンプレートとアクションプランの違い
アクションプランを使用する場合は、まずアクションプランテンプレートを作成します。ところで、アクションプランテンプレートとアクションプランは何が違うのでしょうか?
アクションプランテンプレートでは、クライアントとの財務計画レビューミーティングなど、特定の種別のエンゲージメントに伴う反復可能な ToDo を取得します。このようなエンゲージメントでは、ファイナンシャルアドバイザーが事前にミーティングを設定し、財務ドキュメントを収集して、ドキュメントを確認する必要があります。アクションプランテンプレートの設定は 1 回のみで、反復可能な ToDo について新たな情報を得た時点でその都度更新していきます。
他方、アクションプランはテンプレートのランタイムインスタンスで、テンプレートで定義した一連の ToDo を自動的に実行できます。Ryan が Rachel Adams というクライアントと実施する予定の財務計画の四半期レビューミーティングなど、各エンゲージメントのテンプレートからアクションプランを生成します。
アクションプランは議事録テンプレートと同様に、ワープロソフトで使用します。テンプレートに構造やプレースホルダーコンテンツを一度定義した後、週 1 回のチームミーティングの後にドキュメントでテンプレートのインスタンスを作成します。
サポートされる Salesforce オブジェクト
Salesforce の設定と使用可能なライセンスに応じて、さまざまなオブジェクトにアクションプランテンプレート (とアクションプラン) を作成できます。アクションプランテンプレートの対象オブジェクトは、次のとおりです。
- 取引先
- 資産と債務
- ビジネスマイルストーン
- キャンペーン
- カード
- 取引先責任者
- 契約
- 金融口座
- 金融取引
- 財務目標
- 保有銘柄
- 保険契約
- 保険契約補償範囲
- リード
- 商談
- 個人ライフイベント
- 住宅ローン申込
アクションプランの内容
アクションプランテンプレートと生成されるアクションプランには、次の種別のいずれかまたは両方の項目を追加できます。
ドキュメントチェックリスト項目
アクションプランでは、反復可能な ToDo と順序を定義して、ToDo の割り当てや追跡を自動化できます。こうした ToDo の多くでは、ローン組成や請求管理などのプロセスに必要な補足書類の取り付けや確認などが行われます。アクションプランテンプレートにドキュメントチェックリスト項目を追加すると、プロセスのドキュメント追跡ステップや承認ステップを標準化して自動化することができます。ドキュメント追跡では、借主、ローン担当者、住宅ローン引受会社が住宅ローンの申込に必要な補足書類をアップロードして確認できるため、借主のエンゲージメントの効率性が向上します。
この機能についての詳細は、Trailhead の「Financial Services Cloud を使用する住宅ローンのマスター」モジュールを参照してください。
ToDo
ToDo は Salesforce で長年重宝されてきた機能です。Salesforce で取引や取引先の ToDo リストを活用すれば、やるべきことを常に把握できます。ToDo はそれぞれリード、取引先責任者、キャンペーン、契約のレコードや、他の必要な情報に簡単に関連付けることができます。Salesforce には、ToDo の迅速な作成と更新、事前に絞り込まれた ToDo リスト、ToDo 通知オプションなど、生産性を最大限に高める各種のツールが用意されています。
詳細は、Salesforce ヘルプの「ToDo」を参照してください。
アクションプランテンプレートとアクションプランを連携させる方法
アクションプランテンプレートでは、各 ToDo や他の項目がユーザー、ロール、キュー、アクションプラン作成者のいずれかに割り当てられます。UI を使用してテンプレートを作成する場合は、プランの作成者がプランの所有者になります。API を使用してテンプレートを作成する場合は、プラン作成者とは異なるプラン所有者を指定できます。
テンプレートを使用して特定の対象レコードにアクションプランを作成する場合、次のように処理されます。
- ユーザーに割り当てられていない項目は、アクションプランを作成したユーザーに割り当てられる。
- 複数のユーザーが共有するロールに割り当てられた項目は、アクションプランを作成したユーザーに割り当てられる。
- 項目の期日は、アクションプランテンプレートで定義されている開始日と日付オフセットを使用して計算される。ただし、日付計算を暦日と作業日のどちらで行うかは、プラン作成者が選択できる。
アクションプランが開始されると、各ユーザーに割り当てられた ToDo が標準の Salesforce ToDo リストやビューに表示されます。ユーザーは ToDo または他の項目の標準インターフェースか、アクションプランの詳細ビューを使用して、ToDo の状況情報を記録します。取引先や取引先責任者などの対象レコードにも、関連するアクションプランのリストが表示されます。
次のステップ
この単元でアクションプランについて学習した Ryan は、その潜在性に大きな期待を寄せています。次の単元では、Ryan がアクションプランを使用して、チームがすべての ToDo を期日までに完了させられるようにするところを見ていきます。では、先に進みましょう。